
Tanga Table
小倉をあじわう、宿&食堂
JR小倉駅から徒歩10分程の場所に、「北九州の台所」と呼ばれる旦過市場がある。様々な地の食材が並び、人々が行き交う活気のある市場である。その川向かいに立つビルのワンフロアを改修し、小倉に根付いた食の魅力を紹介し、訪れた旅人の拠点をつくるプロジェクトである。
「交流して楽しんでみたい」と「一人になって落ち着きたい」相反する2つのニーズが共存する空間を目指している。
宿泊ゾーン
1人~多人数の宿泊ニーズに対応するため、二段ベッドを配したドミトリータイプを中心にしつつ、個室および和室を配置しベッド数の最適化を図る。共同の水回りは、入口を男女で区別しプライバシーに配慮している。さらに、日ごとに変動する男女比率に応じて調整可能にするため、内部は可動の間仕切とした。待ち時間を減らし効率的なオペレーションに配慮した。また、2段ベッドは入口が向かい合わせにならないよう製作し、プライバシーに配慮している。
飲食ゾーン
飲食のみの利用だけでなく、宿泊客の食事を提供するため、フロアの中心に配置した。宿泊客専用のラウンジに隣接させて可動式の建具で仕切ることで、普段は分けて使用しつつイベント時に建具を開放し、一体的に使用できる計画としている。
2015年に開催されたリノベーションスクールで題材となった物件が事業化するに至った。立地は良いが、フロア面積の大きさ故に長年借り手が見つからなかったビルのワンフロア。上層階にあるため目的性の高いプログラムが求められた。伸びつつある外国人観光客数を背景に宿泊施設を軸にしつつ、近くにある旦過市場ならではの”食”を核にした体験を提供することで、長期的な差別化を図る。既存商店との競合ではなく相乗効果を図ることで、まちの活性化を狙っている。
旦過市場の雑多な魅力を手がかりにして、インテリアは様々な要素を〈パッチワーク〉するようにリノベーションスクール有志によるDIY施工とし、DIYだからこそ可能なデザインを行った。
建具のパッチワーク 古建具を集め組み合わせた壁
額縁のパッチワーク 額縁を集め、組み合わせたバーカウンター(左) 皿のパッチワーク 地元の作家さんから集めたお皿を組み合わせた壁(右)
- 物件名:タンガテーブル
- 用途:店舗オフィス→簡易宿所+飲食店舗
- 所在地:福岡県北九州市
- 完成時期:2015
- 事業主:タンガテーブル
- 構造・規模:RC造・地上6階地下2階・計画面積725.48㎡
- コラボレーター:スタジオニブロール、Republica、Roovice