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地域再生

三浦小野

 
 

地域再生が日本全体の重要な課題として取り上げられるようになって既に長い時間が経過しました。
 

縮退時代の地方地域には、成長時代のマネジメントとは全く異なる発想や方法が必要であり、これまでの都市計画や公共政策という分野・領域に捉われていては解決はおぼつかない現実があります。
 

まちづくりや建築という領域でも、多くのアイディアは開発・実践されつつありますが、持続可能な地域の構造をつくるための統合的な解決シナリオや知見は、十分に生み出されているとは到底言えません。
 

地域のイシューとは、産業・経済構造の問題、コミュニティの問題、自治体財政の問題、魅力的な都市デザインや公共空間の問題、さらにはブランディングやプロモーションまで含めて、多くの領域を横断するものです。我々は、建築・不動産・まちづくりといった既存の分野境界を乗り越えて、複合的な目線で解決シナリオを創り出すことをを使命として、研究と実践を行なっています。
 

その中で我々が意識するのは「経済と情緒」あるいは「産業と文化」の相互作用、つまり都市空間のデザイン、地域独自の魅力やライフスタイルといったものが、人や産業の吸引力や経済循環とシナジー関係になる状態とはどういうものか、その状態をデザインしたいと思っています。
 

東京一極集中への懸念が叫ばれるようになって久しいですが、我々は基本的に、都市化は止まらないとの認識を持っています。しかし、それは「量としての」都市集中であって、社会的意味あるいは人間にとっての意味としては、そうでないと考えています。社会の豊かさは多様性と選択可能性の拡大にあると考え、魅力ある地方地域とそこでのライフスタイルや体験あるいは地域独自の資源の享受、都市と地方の豊かな共生関係というものを追求することは、絶対に必要なことであると考えています。
 

エリアリノベーションあるいはリノベーションまちづくりと言われる、ミクロなアプローチによるエリア再生にも我々は関わってきました。これからはその次のステップとして、マクロな戦略との組み合わせが重要であると考えています。ここでいうマクロな戦略とは、地域地方のビジョンや競争戦略の設定から、エリア全体における都市デザイン・産業戦略・福祉や公共サービスのマネジメントなどを包含した、地域独自の強みを生かしたソリューションストーリーを意味します。
 

弊社がこれまで行なってきたリノベーションまちづくりの実践、地域再生シナリオの立案、移住促進に向けての空き家活用トライアル・ステイ事業、新たに事業参画している多拠点居住プラットフォーム事業(ADDress)といった経験・アセットも活かしながら、これからの時代に本当に必要とされる地域再生の知見開発と実装をスタートしています。

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