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Projects

事業内容
企画コンサルティング・設計・工事監理・リーシング
用途
共同住宅一部店舗・事務所
構造規模
RC造地上4階建
延床面積
3315m2
所在地
埼玉県草加市
事業主
東武鉄道株式会社
コラボレーター
株式会社ソウカブンカ(コミュニティ運営,サインデザイン) スターツCAM株式会社(設備設計)

ミノリテラス草加

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都市郊外の農園の多くが、画一的な宅地開発に置き換わりつつある。このプロジェクトでは、共用部に都市農園を実装し都市郊外でこそ成立する団地型社宅の再生を目指した。農園を現代的に組み込んだ生活像は、都市郊外のベッドタウンにおいて「寝に帰る」以外の付加価値のひとつになり得るかもしれない。
築約50年の鉄道会社社宅を、メイン用途の賃貸住宅に店舗及び事務所を加えた複合施設として改修した。
住棟間の空地を公園のように街に開放し、建物住人だけでなく近隣住人が気軽に立ち寄ることのできる居場所とするため、塀を撤去し農園を核とする広場をデザインした。
一般的な畝の寸法体系に倣った大小8つの農園区画を、日照と作業動線に配慮しつつ日陰となる既存樹木を囲むように配置する。利用者の練度や作物の種類などによって、柔軟な運営ができるよう複数の区画構成としている。農園の造成の際に鋤取った土を利用して、なだらかな築山をつくった。さらに農園と築山を望むウッドデッキを設えて1階の店舗区画と接続した。
ウッドデッキと築山では、様々なコミュニティ醸成のためのイベントが開催される。ウッドデッキには数段下りたスペースを設え、築山との距離を近づけた。築山はこのスペースに向かって緩やかに傾斜するように軸を僅かに振って形を決定した。築山とウッドデッキはどちらも客席とステージの関係になるため、様々なイベント形式に対応できる。
子供たちが虫取り網を片手に駆け回る姿を眺めながら、育てた野菜を収穫し、近隣の人々と季節の移り変わりを語り合う風景が、この広場に生まれた価値を物語る。かつて排除された農園が、都市部にはない郊外住宅地ならではの生活を可能にする一手として積極的にまちに組み込まれてゆく未来を期待する。